理念

理念

Smart Wellness City 首長研究会・発起人会共同宣言

Smart Wellness City 首長研究会・発起人会共同宣言(PDF)

 本プロジェクトは、「ウエルネス(=健幸:個々人が健康かつ生きがいを持ち、安心安全で豊かな生活を営むことのできること)」をこれからの「まちづくり政策」の中核に捉え、健康に関心のある層だけが参加するこれまでの政策から脱却し、市民誰もが参加し、生活習慣病予防及び寝たきり予防を可能とするまちづくりを目指す。そのために、科学的根拠に基づき市民の健康状態の改善が実証された以下の健康まちづくり政策を、自治体間の連携によって3年を目処に推進していこうとするものである。

  • 健康に対する望ましい生活を啓蒙する教育の充実
  • 健康への貢献も視点に入れたまちの美的景観及び歩道や自転車道、及び公園整備の推進
  • 健康への貢献も視点に入れた都市交通網及び商店街の整備
  • 夜でも歩ける治安の維持・強化
  • 健康づくりの視点からも地産地消ができる農業等の推進
  • 地域での健康づくりネットワークを支援する、先端的健康サービス産業の育成 これらにより、世界で未だ確立されていない「少子高齢・人口減社会」の克服を可能とするまちづくり「Smart Wellness City」の具体策を創造・構築することを目的とする。

共同宣言

 我が国の超高齢・人口減社会によって生じる様々な社会課題を、自治体自ら克服するため、この危機感を共有する首長が集結し、健幸をこれからのまちづくりの基本に据えた政策を連携しながら実行することにより、3年を目処に最新の科学技術や科学的根拠に基づく持続可能な新しい都市モデル「Smart Wellness City」の構築を目指すものである。

 趣旨これまで自治体で行われてきた疾病予防のための健康政策は、担当部局に閉じた公衆衛生の視点のみで行われてきた例が多く、市民全体に浸透する多面的な健康政策は、ほとんど行われてこなかった。この状況を打破しない限り、今後ボディーブローのように効いてくる「少子高齢・人口減社会」の進展により、地域の活力が低下していくことは、多方面の分析からも明らかである。

 また、我々の最近の研究結果から、地域における予防施策を拡大し、定着化していくためには、これまで予防施策における中核であった健診によるスクリーニング、指導者の資質向上及び行動変容プログラムの開発一辺倒のみでは、課題解決が困難であることが示されている。

 なぜならば、(1)健診からスクリーニングされた対象者はなかなか保健指導や介護予防事業に参加しない。(2)自治体が中年や高齢者に対して実施している健康教室への参加者は、健康度は比較的良好で、医療費も低い傾向であることが示されているからである。さらに、最近都市のあり方(交通網や、歩道や公園整備、美的景観)そのものが生活習慣病の発症に一定の影響を及ぼすことが科学的にも示されている。これまでの担当部局単独での健康づくり政策推進では限界があり、生活習慣病の克服が困難であることは明白である。

 これらの課題を解決していくには、部局を超えた連携によって実現するSmart(賢明、快適、エコ、美しい)・Wellness(健幸、安心)・City(まちづくり)のベストプラクティスが必要であると考える。今後、今回 参加自治体が自主財源でこれらに取り組むと同時に、国レベルの取組みに発展させていくことを目標とする。