- 開催期間2014年2月10日(月)~11日(火)
- 開催場所筑波大学東京キャンパス文京校舎
- 主催Smart Wellness City首長研究会
- 共催筑波大学
- 後援内閣府
イントロダクション
Smart Wellness City(SWC)首長研究会は共通の意識を持った複数の自治体が「健幸」をまちづくりの基本に据えた政策を連携しながら実行することにより、持続可能な新しい都市モデル『Smart Wellness City』の構築を目指すという理念のもと平成21年11月に発足した。今回で第9回目を迎え、41の参加自治体の内、24自治体の関係者が一堂に会して、SWC推進のための「無関心でも歩いてしまう都市づくり」、「無関心層を動かすインセンティブ制度」等について活発な議論が行われた。
- 出席自治体
- 新潟県新潟市、見附市、福島県伊達市、会津若松市、栃木県芳賀町、茨城県取手市、行方市、千葉県浦安市、睦沢町、東京都多摩市、中野区、神奈川県大和市、静岡県三島市、富山県富山市、岐阜県岐阜市、京都府八幡市、大阪府高石市、河内長野市、阪南市、奈良県宇陀市、福岡県直方市、大分県豊後高田市、佐賀県多久市、鹿児島県指宿市
SWC首長研究会代表、共催代表、後援代表より挨拶
- 久住 時男SWC首長研究会 / 新潟県 見附市長 本研究会は第9回を迎えることができ、その間に、参加自治体が41区市町村までにも増加したことから、大変注目されてきているように感じる。多くの首長が積極的に議論に参加し課題解決策を見出し、その動きを住民へ伝え広めてもらいたい。多くの各役所及び民間の方々が、本研究会に参加していることを大変歓びとしているとともに、今後も良い研究会となるようお願いしたい。
- 吉川 晃筑波大学 理事・副学長 参加自治体数が倍増しているこの研究会は、開拓期から成長期に入ったように感じる。医療・健康問題に大きく重点を当てている今時代において、7市連携の総合特区事業は確実に実績を上げており、政府をはじめ、全国の市町村及び産業界からの注目を集めている。大学としては、このような取り組みに科学面で支えていることを誇りに思うと同時に、今後も地域貢献及び成果の全国普及という形でバックアップしたい。
- 川本 正一郎内閣官房 地域活性化統合事務局 局長 参加自治体が倍増し、本取組みが様々なところで浸透していると実感している。人々が健幸に暮らせるまちを実現するために、ハード面においては、コンパクトシティの実現、地域公共交通の強化、中心市街地の活性化等のため、それぞれ法改正を予定しているがそれと同時にソフト面も変えていかなければならない。近年、SWCの取組みに産業界も注目している。自治体ごとの状況や取組みは異なるが、他の自治体の取組みを参考に、まちづくりに役立ててほしい。
第9回研究会の議論のポイント
- 久野 譜也筑波大学大学院 人間総合科学研究科 教授 住民の大半を占める健康づくり無関心層を行動変容させるためのポピュレーションアプローチの具体化が必要であることは、これまでのSWC首長研究会で議論されてきた。この無関心層を行動変容させるためには、その都市に住むと自然と健幸になれるようなまちづくり政策に変容させていく総合政策の視点が必要である。近年、まちの都市環境が健康に一定の影響を与えるというエビデンスが蓄積され、また、総合特区の1つの成果でもある健幸クラウドを開発したことで、自治体によって健康状態が全く異なっていることが明らかとなった。それゆえ、健幸になれるまちづくり実現のためには、それぞれの自治体にあった公共交通の整備、中心市街地の活性化を進めていくことが重要であろう。一方で、現在、地方都市を中心に、人口は変わらず市街地の面積だ
けが広がっていくといったスプロール化現象が生じている。2040年には、人口減少により、全国1800市区町村の約半分の存続が難しいことが予測されていることからも、まちのコンパクト化を進めていくことも同時に行っていく必要がある。今回の研究会では、このまちのコンパクト化をどのようにして進めていくのかについても議論したい。
特別講演 1「安倍政権の地域活性化策」
- 和泉 洋人内閣総理大臣補佐官 内閣官房 健康・医療戦略室 室長 現在、日本全体は沈滞ムードに陥っている。安倍政権は、日本を元気にするためアベノミクスの三本の矢(第一の矢:大胆な金融政策、第二の矢:機動的な財政出動、第三の矢:民間投資を喚起する成長政策)を立て、大きな構造改革・変革を行っている。アベノミクスの一番の本質は少子高齢化である。対策としては様々挙げられるが、一番の打開策は労働力の確保であり、特に高齢者の雇用機会を作ることが非常に重要な課題である。高齢者の地域や社会への参加は、直接社会貢献に結びつくが、これはまさにSWCの方針と一致している。安倍政権の今後の課題は、都市地域の形成と地域産業の活性化及び雇用の維持・創出である。これらを解決するためには、コンパクトシティを形成する必要性があり、現在、国は法案を改正し、様々な制度を検討している。
- 意見交換
- ヨーロッパとは異なり、日本の場合は高齢者になっても働く意欲が高い。このように、高齢者が生涯活躍できる環境を創出することは、国の労働力不足の問題を解決するだけではなく、高齢者自身の生きがいを見出し健康づくりにもつながっていく。従って、年齢に関係なく活躍し続けられる社会を作り上げていかなければならない。
特別講演 2「今後の人口減&超高齢化対応の都市のありかた」
- 村木 美貴千葉大学大学院 工学研究科 建築・都市科学 教授 海外の都市は、開発規制がとても厳しいが、都市規模の拡大を防ぎ、農地や歴史的なまちを保全することが可能となる。また、中心部に人々が集結させることに成功した海外の都市では(1)市街地は歩いて回れる広さである(2)賑わいを創出するための土地利用規制がある(3)異なる分野、組織と連携して土地利用規制を実施している。日本において、歩いて暮らせるまちを構築するためには、歩ける範囲に、物販店、公共交通機関、病院等があるのかを認識し、どのような施策を展開させていくことが効率的なのかをデータで示す必要性がある。しかしながら、歩いて楽しく暮らせるまちを全域に作ることは難しい。従って、パイロット地区のような小さいエリアから施策を始め、広げていくこと、また、首長さんが施策のプライオリティを作り、それを押し通すこと、そして、市民の方々に様々な取り組みを情報提供することが大事である。
- 意見交換
- 様々な都市再生プログラムは、まちの長所を活かし、短所を修正することができる。人口の少ないまちでも特色を特化することにより来訪者を増加させることができる。また、市民が思う日常的な活動拠点と行政が考える活動拠点は必ずしも一致しないことを認識するべきである。そういう面で、合併したまちでコンパクトシティを作る際は、人々の活動拠点をデータ化し、他の行政と連携しながら考える必要がある。
集中討議 1「歩くまちを実現するためのコンパクト化の方向性と課題」
『健幸都市実現に向けた都市集約化方向性と課題』
- 久住 時男新潟県 見附市長 見附市は25年後に全人口の28%が減少すると見込まれており、現状のままだと住民の生活サービス・機能の継続や物販店・飲食店などの生活サービス関連施設の維持が困難となる。そのため、周辺市街地の既存集落の存続を配慮しつつ、(1)居住地域の集約、(2)商業地域の明確化について考えることが、コンパクトシティを作っていくうえで重要である。本市は、複数の中心市街地を結ぶ公共交通としてコミュニティバスがあるが、昨年の利用者数が10万人、さらに収支率も34%に増加した。自動車でなくコミュニティバスで行ける範囲に道の駅や銭湯などのリクレーション施設を整備するなど、全ての人が家から外に出たくなるような場所を作っていき、税制や住み替えのためのインセンティブなど自治体だけでは難しい施策は国と協力して進めて行きたい。
『新潟市におけるスマートウェルネスシティの取り組み』
- 篠田 昭新潟県 新潟市長 近年、公共交通の利用者が急激に減少し、車利用率が約7割である。車社会から脱却すべく、平成24年から公共交通及び自転車で移動しやすく快適に歩けるまちづくりを目指している。歩行や自転車での移動を促すために、様々なシンポジウムや健康ウォークの実施、行政区ごとに異なる健康事業の取り組み、世界初のソフトライジングボラードを導入した。特に公共交通の強化に力をいれ、バス路線再編や本数を増加させることで、市全体の持続可能な公共交通体系を構築していく。今後、本市が一番力を入れていきたいことは、地域包括ケアシステムの構築である。積極的に高齢者に声をかける、新年度は、介護保険制度の診断を早急に受診してもらうなど、8つの行政区全てに複数のモデルコミュニティ拠点を作りたいと考えている。
『公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり~市民を健康にする都市を目指して』
- 森 雅志富山県 富山市長 人口減少に伴う様々な課題が顕在化するなかで、富山市では(1)公共交通の活性化(2)公共交通沿線の居住推奨エリアへの誘導(3)中心部の魅力向上を同時に取り組むことで、コンパクトなまちづくりを進めている。まず取り組んだLRT(次世代型路面電車システム)の整備では、利便性を向上することで、利用者が大幅に増加し、高齢者の外出機会の増加にもつながった。また、中心部での滞在時間や消費金額が増加するなど、ライフスタイルにも影響を与えた。他にも、65歳以上の方が、市内各地から乗って中心市街地で降りると100円で公共交通を利用できる仕組みや、中心部の街区公園で近くの高齢者の方に野菜を作ってもらう場の提供といった様々な取り組みにより、高齢者の外出機会を創出する仕掛けをつくっている。さらに、GIS地図上に住民基本台帳データをマッピングし、人口分布や高齢者などの地域の状況を見える化することで、データに基づいた政策議論も始めている。
『歩くまちを実現するためのコンパクトシティ化の方向性と課題』
- 和田 信貴国土交通省 都市局 都市計画課長 日本は確実に人口減社会に向かっている中、社会保障費が急速に増加している。こういう社会課題の課題解決策として、コンパクトシティが正式に国の施策として取り上げられ、全国の市町村の6割以上がコンパクトシティを目指しているが、具体化してきた自治体は極僅かである。そこで、各自治体で施策を具体化していくために、(1)自治体をはじめ、議員、住民がしっかりと自分の市の現状認識をすること、(2)まちづくりの主役は民間であるため、役所の論理だけでなく、民間がいかに中心となって人を動かすことが今後の課題である。さらに、雇用の場や生活サービスの場を作ること等の経済産業政策と連携することも必要である。現時点で、まちづくりに関する課題が多く挙げられるが、これらの課題に取り組み、結果を出すには時間がかかる。自治体ごとの現状は異なるが、自治体が主体となってまちの課題に向き合ってほしい。我々は、それを財政または税制面でバックアップしたい。
『平成26年度予算(案)の概要・税制改正要望の結果』
- 宇野 善昌内閣官房 地域活性化統合事務局参事官 総合特区制度の推進に向けて、国は、総合特区に指定された地域からの提案を受け、規制の特例措置の実現を図るとともに、財政・金融・税制上の支援を講じる等政策資源を集中的に講じることとしている。このため、平成26年度予算において、各省予算を重点的に活用した上で不足する部分を補完する総合特区推進調整費95億円及び民間事業の円滑な実施を支援するための総合特区支援利子補給金4.5億円を確保した。また、ソーシャルビジネスを行おうとする企業に対し出資した者の所得税に関する控除制度が2年間延長された。このほか、総合特区制度ではないが、少子高齢化等の政策課題の解決に取り組む自治体に対し、計画策定や事業実施を支援する特定地域再生事業費補助金も平成26年度予算において2億円確保した。このような様々な支援制度を用意しているので、ぜひ活用いただきたい。
- 意見交換
- これからのまちづくりは民間の活力をメインにしたいが、今まで見るとやはり民間の方々が取り組んでいる地域活性化事業はまだ少ない。今後は補助金などのインセンティブ策で民間事業者を少し刺激していきたい。また、これからのまちづくりは都市計画関係の者だけではなく、福祉関係、医療関係など領域間が連携してやっていくことが大事である。
話題提供 1Smart Wellness City推進のための国の施策動向
『Smart Wellness City推進のための国の施策動向』
- 北 真夫国土交通省 住宅局 住宅総合整備課住環境整備室長 現在、移住・住みかえ支援機構(JTI)は、一戸建て住宅を所有している高齢者がまちなかに移住したい場合、高齢者の一戸建てを借り上げて、子育て世帯に転貸するという事業に取り組んでいる。この制度のメリットは、高齢者は一定の賃料がもらえ、子育て世帯も広い家を借りられるということである。3年の定期借家契約のため、高齢者は元の家に戻ることも可能である。また、空き住宅や空き建築物(店舗、倉庫など)を活用・除却する場合には、国が地方公共団体(自ら実施又は所有者に補助)に交付金を出す空き家再生等推進事業もある。
『歩くことが楽しい街をめざして』
- 清水 喜代志(国土交通省 都市局 街路交通施設課長)中心市街地の活性化は自治体の財政収入の増加につながり、また、歩く人を増加させる。その結果、人々は健康になり、医療費削減効果にもつながると考えられる。したがって、中心市街地を活性化し、歩くことが楽しい街をつくることは街路交通施設課の一番重要なテーマである。国交省では、インフラ整備を行う際は全て交付金を使用することができるため、公共交通・歩行環境整備のアイデアがあれば、国交省で支援し共に歩いて楽しいまちをつくっていきたい。
『中心市街地活性化法改正法案について』
- 夏目 健夫経済産業省 商務情報政策局 中心市街地活性化室長 H18の法律改正で、中心市街地活性化の認定を受けるためには、市街地の整備、都市福利施設の整備、まちなか居住の推進及び商業の活性化の4つが必須要件だったため、本施策に取り組む市が700市から117市に減少した。そこで、「裾野拡大」として、4つの要件のうち1つのみでも認定を受けられるよう施策を緩和した。また、来訪者、就業者、小売業の売上高を増加させることを目標とした「重点支援」も新たに追加された。我々は、地域経済源の中心となる中心市街地を予算・税制・金融面で支援していきたいと考えているので、再度、首長の皆様に中心市街地活性化に目をむけ、取り組んでもらいたい。
- 意見交換
- 人が歩くためのまちづくりを進める上で、公共交通整備などのハード面がよく討論されるが、まちなかでにぎわいを創出させるイベントなどのソフト面も住民を外出するための対応策として重要である。しかしながら、日本の自治体によるイベント開催は年1回がほとんどでヨーロッパのまちよりはるかに少ない。イベントの開催にあたっては自治体だけでなくNPOや民間との連携も戦略的に考えていかなければならない。
話題提供 2「健康寿命延伸をキーワードとして、新産業・新サービスの創出」
- 白木 康司株式会社みずほ銀行 産業調査部 ライフケアチーム次長 高齢化の進展に伴い、生活産業の市場規模拡大が見込まれているが、高齢者が今後もいきいきと暮らしていく為には、健康寿命の延伸が極めて重要になる。この為、健康寿命延伸産業の育成が望まれるが、これを実現する為には間企業が参入可能な分野の明確化が必要である。明確化の方法として、グレーゾーンの解消があり、これにより薬局におけるセルフメディケーション体制の構築や、介護予防の強化が実現されると考える。予防給付が今後自治体の地域支援事業へ移管されることを考えれば、生活支援サービスの充実・強化は今から着手していく必要がある。
- 意見交換
- 地域における健康寿命延伸産業の創出・育成において、大きなポイントになるのは高齢者の就労機会の増加である。高齢者一人一人の役割を見出すことが、外出頻度や身体活動の向上につながる。また今後、介護に関する問題の中心は認知症と認識しており、民間企業の様々なプログラムや薬局店頭等でのスクリーニングにより早期発見につなげていくことが重要と考えられる。
問題提起 1「健康無関心層への対策(1)」
- 久野 譜也筑波大学大学院 人間総合科学研究科 教授 健康寿命延伸のために運動は必要不可欠である。しかしながら、運動に関心を持たない無関心層は人口の約7割を占めているため、無関心層を動かすためのインセンティブ制度が望まれる。新潟県見附市と三条市で健康ポイント付与の健康運動教室を実施した結果、インセンティブの付与方法によって運動実施度が異なっていたことが示された。 無関心層を含む多くの住民が行動変容するためのインセンティブ制度を一層向上させるため、どのような属性の住民に対して、どの程度のインセンティブ(内容、種類、金額)を与えることで健康行動変容を促すことができるのかという観点から、インセンティブ制度についてさらに細かく検討する必要性がある。
集中討議 2「健康無関心層への対策(2)」
『健康無関心層への対策』
- 安藤 公一厚労省 保健局 総務課医療費適正化対策推進室長 健康寿命延伸の視点から、健康無関心層対策は重要な意味を持っている。その効果の一つとして、加齢により低下した自立度を引き上げることが期待されるが、年代ごとの無関心層に手を打つ必要がある。高齢者はメタボリックシンドローム(以下、メタボ)者が多いため、現役世代からメタボ予防を中心とした対策が必要である。一方、高齢世代においては、日本再興戦略を踏まえて、生きがいづくり、就労促進に向けた取り組み及び介護予防を中心とした働きかけがより重要であると思われる。
『超高齢社会における総務省の取り組み』
- 田邊 光男総務省 情報流通行政局 情報流通高度化推進室長 平成25年に、「健康・医療戦略推進本部」、「IT総合戦略本部 医療・健康分科会」等が政府に設置され、医療ICTの推進に向けた検討が進められている。総務省では、超高齢社会におけるICTの在り方について同年5月に報告書を取りまとめるとともに、実務的課題の解決等について具体的に検討すべく、「スマートプラチナ社会推進会議」を開催。これらを踏まえ、「スマートプラチナ社会」の実現に向けて、総務省はICT健康モデルの確立、医療情報連携基盤の全国展開等に向けた実証等を実施していく。
参加首長紹介
- 仁志田 昇司福島県 伊達市長 1月の市長選挙で当選し3期目の任務に入った。今後も、SWC首長研究会に参加できるということは、本当に嬉しく、さらにSWCの実現に向け取り組んでいきたいと思っている。
- 堀口 文昭京都府 八幡市長 高齢化が進行している中、昨年、関西大学、UR及び八幡市で、まちづくり連携協定を結び、京都府の協力を得て、これから町の再活性化にとりくんでいく。
- 室井 照平福島県 会津若松市長 これからの健康長寿社会の創造は、我が市でも大きな課題となっているため、皆様と共に勉強させていただきながら、取り組みを強化していきたい。
- 阪口 伸六大阪府 高石市 本市は南海トラフ地震対策と健幸が市の重点施策である。超高齢化は確実に起こるため、どのような対策が必要であるか考えていく必要がある。
- 藤井 信吾茨城県 取手市長 健康増進という観点から、市民が主体的に地域社会に関わるための施策をどのように増やしていくのかについて大変興味を持っている。
- 芝田 啓治大阪府 河内長野市長 H22年に、教育の力によってまちを活性化し、まちづくり・人づくりをしていくため、教育立市宣言を掲げ、5つの旗をもとに、取り組みを進めている。
- 鈴木 周也茨城県 行方市長 農業のまちである行方市は少子高齢化が顕著で、平均寿命が県内でワースト2である。本研究会でしっかり健幸について勉強し、市の形成に取り組みたい。
- 福山 敏博大阪府 阪南市長 本市は、医療・スポーツ・食・産業・都市基盤整備をつなげ、ホスピタリティの高い産業・健幸都市を目指している。今後もますますまちの発展を遂げていきたい。
- 松崎 秀樹千葉県 浦安市長 歩くことは健康の源であることを自身で感じている。市民に歩くことの良さをどこまで伝えられるかが課題だと認識している。
- 竹内 幹郎奈良県 宇陀市長 本市は、4つの町村が合併し、高齢化率が30%超えていることから、健康都市をどう構築し、政策をしていくのかを研究会で学びたい。
- 市原 武千葉県 睦沢町長 睦沢町は、健康長寿な町を目指すべく、現在は、まちなかの公共交通の整備を強化しているところである。地域再生を頑張って取り組みたい。
- 向野 敏昭福岡県 直方市長 歩く視点を大切にした健康づくり事業を中心市街地商店街等で実施し、まちの賑わいづくりと市民の健康寿命の延伸に取り組みたい。
- 阿部 裕行東京都 多摩市 高齢化率の上昇が速い一方で、健康寿命が長く元気なまちである。歩いて暮らせるまちづくりに力を入れていると同時に多摩ニュータウンの再生も進めている。
- 横尾 俊彦佐賀県 多久市長 コンパクトシティの形成や健康がとても重要であることは痛切に感じており、健康長寿の大切さを改めて見直し施策に取り組みたい。
- 田中 大輔東京都 中野区長 東京は、全国の自治体のまちの状況と比べると、大きく異なる部分もあれば似ている部分もあると思っているので、いろいろな市の取り組みを参考にしたい。
- 坪川 幹雄栃木県 芳賀町副町長 本市は、健康寿命が短いため健康運動教室の実施を開始した。今年は教室を拡大し、少しでも健康寿命を伸ばせるように頑張りたい。
- 大木 哲神奈川県 大和市長 健康都市を総合計画の中心に据え、市政全体で人・まち・社会の3つの健康に取り組んでいる。市の借金は大幅に減り、市立病院も21年ぶりの黒字となっている。
- 鴛海 豊大分県 豊後高田市副市長 本市は、人口2万3千人のまちであるが、人口増加に向けて健康に重点を置き、職員全体で取り組みを進めていこうと考えているところである。
- 豊岡 武士静岡県 三島市長 本市では様々な事業を展開しているが、市民が健幸に暮らしていくためにもさらにより良い施策を作っていきたい。
- 上村 欣久鹿児島県 指宿市副市長 健幸のまちづくりへの取組みを、市長の今期1番のマニフェストとしている。様々な取組みを実施する上で、いかに多くの市民を参加させるのかがポイントである。
- 細江 茂光岐阜県 岐阜市長 市長選挙で5選を果たすことができ、SWCの旗を守り通せたことは大変嬉しく思う。今後もSWCを実現するためにも、さらに精進して施策に取り組んでいきたい。
総括
第9回のSWC首長研究会は、特に「無関心でも歩いてしまう都市づくりと無関心層を動かすインセンティブ制度」という視点で議論が交わされた。今後の高齢化進展に向けたまちづくりにおいて、コンパクトシティの形成は一番重要なポイントである。それを実現するには中心市街地の活性化や公共交通の整備が必要で、人々が自然に歩いてしまう環境をデータに基づいて作り出すことが重要である。またインセンティブ制度については、来年度から3か年での大規模社会実証実験が始める。このインセンティブ制度が無関心層を含めた多くの住民を行動変容させ、健康寿命を延伸させられるのか、成果を期待したい。