平成25年3月9日南日本新聞
脱「車」、歩く社会へ
健康で幸せな生活目指す
指宿でシンポ200人参加
住民が健康で幸せな生活を送る「健幸な街づくり」を掲げる指宿市は、専門家を招いたシンポジウムを市民会館で開いた。医療費や将来の人口構造など市の課題を幅広く知ってもらい、街づくりに参加してもらう狙い。約200人に、車依存を脱却し、歩く習慣を身につけるなど生活の見直しの必要性を訴えた。
市によると、2010年度の市民1人当たりの医療費は約39万円で、県平均より4万円余、全国平均より10万円余高い。特にがん、脳卒中、腎不全など生活習慣に関わる疾患の割合が高いのが特徴。
05年の人口約4万7千人、高齢化率30%に対し、35年には人口は約3万2千人に減る一方で、高齢化率は42.5%に達する見込み。早急に対策を打たなければ、財政が危機的状況を迎える。
シンポジウムは2日あり、健康を核とした街づくりを提唱する筑波大学大学院の久野譜也教授が講演。公共交通機関が少なく、移動手段は車が中心の地方について、「歩く機会が少なく不健康な街」と指摘。市中心部への車乗り入れ禁止などの例を挙げ、「車依存から歩く社会へ、思い切ったことをしないといけない」と訴えた。その後、健康教室も開かれた。
市は13年度予算案で、運動教室の開催など関連予算を4200万円計上。豊留悦男市長は「健康寿命をどう延ばすか真剣に考えるとき。健幸をキーワードに生活してほしい」と呼びかけた。